今回は、な、なんと北海道!
                  いや、社員旅行で夜抜け出して港へ釣りにきたんです(笑)
                  タクシーの運ちゃんが運良く釣り好きな人だったので、港で夜釣りし易い所まで乗せていってもらって釣り開始! 後輩のYが同行。
                  社員旅行なので、リールと仕掛けのみカバンに忍ばせ、昼間の小樽自由行動時に短いパックロッドを購入した(まさかずはこのテのパックロッドはもっていなかったので)。その釣具屋で
                  「登別の方行くんですけど、夜だったら何がいいですか?」
                  「アブラコかソイじゃねぇか? こっちはそろそろ終わりだけど、向こうは今がいいみたいだよ」
                  「チカとかは夜はダメですかねぇ」
                  「夜はダメだよ」
                  ということで竿の他にはブラーとグラブを購入。久々のルア−釣りだー。
                  話は戻って登別港。ここは、二本外洋に突き出した堤防と、港内に短い堤防があり、まさかず達は港内の短い堤防の付け根あたりで始めることに。ここには外灯があって、懐中電灯がなくてもイトが結べるくらいに明るい(懐中電灯も念のため持ってきてたんだけど・・・)。それに、思っていたほどは寒くない。
                  準備をしている時に目の前で魚が跳ねた。
                  「魚いるよ〜」
                  Yが叫んだ。Yは前回同行した時には疑惑の一匹だけで結局釣っていなかったので今日は気合いが入っているようだ。魚の大きさからするとチカか何かだろう。
                  「Y君、俺らが狙ってるのはあれじゃないよ。もっと大きなやつ」
                  と言ってブラクリとグラブについて説明。Yはルア−釣りは初めてなのだ。
                  「なんか群れでいますよ」
                  まさかずも見てみると、本当に群れで魚がいる。チカ? それも大チカ!
                  なんと、外灯に照らされている部分に、チカが物凄い群れで回遊しているではないか! こ、これでサビキの仕掛けとコマセがあれば・・・。チカの仕掛けは一つだけ小樽の釣具屋で購入してはいたが、サバ皮なのでたぶんこの暗さでは掛からないだろう・・・。釣具屋の親父の嘘つき! チューブのコマセ買っておけばよかった!
                  とりあえずウキをつけて夜光サビキでやってみるかぁ、とカバンをあさると、な、ない!? 持ってきたはずの仕掛けが入ってない・・・。
                  「仕掛け持ってくるの忘れた」
                  とりあえず小樽で買った仕掛けはあるので釣りはできないことはないが、ウキと夜光サビキもなければコマセのない今、チカは無理だろう。が、とりあえずやってみることに。
                  ・・・まったくアタリが来る気配なし。
                  と、Yはどうしているのかと見てみると、イトを垂れたまま座っているではないか!(笑)
                  「あのね、ルアー釣りっていうのは、自分もルアーも動かさないと釣れないんだよ」
                  説明したつもりだったのだが、あまりわかっていなかった様だ。
                  「こんな感じに動かしてさかなにルアーが生きているように見せるんだよ」
                  「なるほど」
                  理解したようで、キャストを何回も繰り返すY。まさかずもチカはあきらめてブラーに変更することに。堤防の際を探りながら進んでいく。
                  「あ、今なんかアタリがあった」
                  「ぐぐぐってきた?」
                  「多分きました」
                  「じゃあもう少しやってごらん」
                  どうやらアタリがあったらしい。俄然まさかずのやる気もでてくる。が、まさかずはというと根掛かりでラインブレイクばかり。根周りを探るにはラインが細すぎたようだ。PEのリールはYに貸してるし、まぁ仕方ないか。
                  まさかずがブラーを付ける為に戻ると、Yがまさかずがいた堤防に乗り探り始めた。まさかずがそのまま休憩してチカの群れを見ていると、
                  「やった! 来た!」
                  という大声が!
                  「魚?」
                  Yの方を見ると、ちょうど引き抜いたところで、逆光に黒い魚体が見えた。
                  「フグですか?」
                  灯の方へYが魚を下げたままやってくる。まるまる太った魚体しか見えなかったのでよくわからなかったが、近づいてみると根魚! クロソイだ。20cm以上ありそうだ。
                  「やったじゃん! これがターゲットの魚だよ」
                  「やったー!」
                  歓喜の声を上げるY。まさかずも釣り再開!
                  しばらくするとまさかずにもアタリが! が、アワセに失敗、すぐ食い付いてくるかと思いラインをそのままにしたが食って来なかった。
                  その後、Yが
                  「アタリとワカメの違いがわかってきました」
                  と始めてのルア−釣りにしては上出来な発言をした。
                  まさかずはというと、その後ワカメばかり釣り上げ、根掛かりですべてのブラー(4つしか買ってなかった)をすべて根掛かりし、念のため買っておいたジグヘッドを使うもアタリなし。
                  12時半になったので納竿。
                  魚を食べるのに(まな板とナイフは持参。ナイフは往復の空港の荷物チェックに当然引っ掛かりました)どこか水がある場所へ移動しようとしていたら、タクシーがやってきた。さっきの運ちゃんが迎えに来てくれたのだ。
                  「どうしたの?」
                  「魚釣れたんで、どこかさばける所がないかと思って。水がないとダメだから」
                  「ならうちの営業所でやればいいよ」
                  なんて親切なんだろう! まさかタクシーの営業所を使わせてもらえるなんて・・・。
                  結局包丁とまな板も営業所の物を借りてさばくことに。しかも、営業所内に上がり込んで(しょうゆとワサビも出してくれた)食べました。大きさのわりには身が厚く、美味しい魚でした。
                  こうして短い北国の釣り紀行(社員旅行ですが)は幕を閉じた。営業所のみなさん、いろいろと親切にして頂き本当に有難うございました!